#53 突然の来訪

それは急にやって来た。 秋の涼しさの気配を少しだけ感じる、まだむしむしとした感じの抜けない9月の夜だった。 その時私は夕食のトマトソースパスタの準備をしていた。いい風が吹いていたのでクーラーをつけずに窓を開けて、ニンニクと玉ねぎをみじん切りに…

#52 雨上がりの朝

何か違う 昨夜の雨が 空気中の目に見えないちりを 洗い流したような 澄みきった朝 うまく言えないけど 私の気持ちも 何か重いものが 流れて行った そんな気がする きっと 昨日の夢だ 感情が溢れだしたから あの人が死んで 嘆き叫んだ 恋人をとられて 嫉妬に…

#51 愛について考える

#49で引用した愛に関することばについて私の考えをまとめてみる。 #50で書いたように、最近、幸せがこわいな、と思うことがある。幸せを感じることが悪い、と言うわけではない。幸せは悪くない。そうではなくて、自分が幸せであるべきであるという考え方が、…

#50 つぎはぎ

幸せが怖い幸せになるはずだという幻想は今に対する不幸せな気持ちを呼ぶから 正義が怖いふりかざされた正義は無条件の肯定と排除を生み出すからほんとうは絶対的な正義などないのにそれはいったい誰にとっての正義? ごはんを食べる途中眠くなった子どもみ…

#49 愛について

最近考えさせられた愛についての言葉 互いに互いを愛していて、必要とも感じていて、大切に思っている。それなのに、そのことが伝わらない。伝わらないことが、相手を傷つけてしまう。どちらにも悪意があるわけではない。けれども、自分が心地よくいられる状…

#48 青

潮 引ク月ノ 引力生理モ 同ジ海ノ 中ノ 私ノ 中ノ 海 引イテハ 寄セル引イテハ 寄セル 昔昔 珊瑚 ダッタ今モ 珊瑚 シカシ 化石大キナ 珊瑚ノ 化石 シカシ銀河 デアリ ソシテ 細胞 デモアリ 宇宙ノ 中ノ 世界ノ 中ノ 珊瑚ノ 中ニ 宇宙 アッテ 世界ノ 中ニ 私 …

#47 死ぬんじゃないかと思った話

その朝は、世界の終わりが来るのかというほど、美しかった 朝露がキラキラと輝き小鳥は木のまわりで戯れ シロツメクサの宇宙の中には生まれたばかりのつるっとした虫が佇む 太陽は背中を温め、風は穏やかで、小さな蒲公英は太陽に向かって静かに輝いていた …

#46 終わりという希望

人は慣れる生き物だ。良くも悪くも。 それは人間の生物としてのどうしようもない性だと思うし、同時に生きる術でもあるのだと思う。だって、毎日いちいち全部を新しいこととして驚いていたり感動していたら、生きるの大変だもんね。分かる。 日常というのは…

#45 足が一本ない猫の話

その猫は足が一本なかった。 黒地に白い靴下をはいたような手足をしていたので、勘違いだろうと思って、もう一度よく見返してみた。 やっぱり左の方の足がない。歩き方も心なしか少しぴょこぴょこしているように見えてきた。気になってじっと見ていると、猫…

#44 ずれ

ねえ、私が模合で一緒のサッチャン覚えてる? あー、あの面白い人ね。 そーそー。そのサッチャンの同業の人が、今度ギノワンの議員選挙でるんだって。オオシロサンって人なんだって。サッチャンからさー、ぜひ投票お願いしますってLINE来てたわけ。せっかく…

#43 未来

1年後(2022年)。30歳。ブログを続けているとすると#407の日。今の仕事が終わる約1ヶ月前の私は報告書とか、引き継ぎ資料の作成や整理などでばたばたしている。何をしてもいいという自由の状態に対する漠然とした不安と期待の両方があるだろう。 5年後(2026年…

#42 人生という名の物語

5歳の頃、ピアノを習い始めた。小学生の頃は歌うこととピアノが好きで、独唱とか伴奏とかをしていた。本を読むことも好きで、特にハリーポッターとかダレンシャン、ペギースーなどファンタジーが好きだった。 中学生の頃、zipperを読んで古着のおしゃれや服…

#41 ミルクレープ

ここ最近、ミルクレープを何度か作る機会があった。その中で気づいたことがいくつかあったので紹介する。 いつかだれかがミルクレープを作ることがあれば参考になると嬉しい。 まず、市販のミルクレープと、お菓子のレシピのミルクレープは違う。コンビニな…

Portrait of the world/ of me

「Portrait of the world/ of me」 Which aspects are you watching? 中野信子さんの「ペルソナ」の一部で「脳は一貫している方がおかしい」「我々は複数の側面を内包して生きている」ということが書かれていた。たしかに私たちは自分が一貫した人…

#40 半透明な猫の話

それは、確かに猫だった。しかし、体が半透明で、しかも地面から10cmほど宙に浮いていた。 いつも通り早朝の散歩をしていると、100m先あたりからニッ、ニッと高い音が聴こえてきた。近づくにつれて、大きく、長くなり、猫の鳴き声だと分かったその時、黒猫が暗闇…

#39 無題

それは、確かに猫だった。しかし、体が半透明で、しかも地面から10cmほど宙に浮いていた。 #39 #毎日何かを書いてみる #猫 #眠い

#38 旧正月

風タチヌ イザ 起キメヤモ旧正月ダ!新年ダ! グゥオオオオオオオオオオオゴワァァァァァァァァァァァ 風 ウナル アバレル地ノ底カラ 風ノ神出テキタノカ 吹キ荒レル 風ノ中歩ク歩ク ザァァァァァァァァァァァダァァァァァァァァァァァ アレハ?水ノ音?違ウ…

#37 オキナワ

#3 ごぽっ 言葉が 出ない やっと見つけた と思った のに 溺れて しまう この 膨れ上がった 個人の 想いや 言説の 海に わたしは なにを 掴もうとしているのか 強く握った 指の間から するすると 逃げていく 水みたいで 何気なく入ってくる水泡のような小さな…

#36 鯨

そこで私は黒っぽい制服を着た学生で、研修旅行のようなものに来ている。 旅行の場所はどこか北で、なかなか行けない場所のようだ。 始めは大きな講義室でたくさんの人と一緒に何か講義を受けている。 私はなぜか先生の質問に一生懸命答えようとするが、先生…

#35 続ける難しさ

不調な時ほど、続ける難しさがよく分かる。 当たり前のことだけど、今それを実感している。 ここ2-3日、忙しかったり体調が悪かったりであまり調子が良くない。調子が良くないと朝も起きられないし散歩もままならない。難しいことも考えられないし受け止めき…

#34 恨み言

過去の私どうしてあなたは毎日何かを書くだなんて決めてしまったのかしら 眠くて眠くて仕方がないわよ あなたがそんなことを決めさえしなければ洪水のように襲ってきて私を押さえつけようとするこの眠気に逆らって体を起こして服を一枚脱いで寒い思いをして…

#33 にぇむい

むにゃむにゃむにょむにょすぴーすぴーぐうぐうぷすーぷすーすやすやごーごーとろとろすーすーどぅるんどぅるん いまはうつらうつら おやす... #33 #毎日何かを書いてみる #眠い #大変

#32 トリガー

たこ焼きタイラのマヨタコ、さくもとのパーラーのピーチかき氷と大判焼き、ピザハウスジュニアのリゾット、県総合運動公園のボートとポップコーン(ポカポン)、残波岬の灯台、玄米、ちふれのチーク(ピンク)、りうぼうのコロッケ、卵焼き、ターンムパン、…

#31 拝啓、過去殿

拝啓、過去殿 お元気ですか 立春が過ぎました少し前までの寒さも緩み、窓の外は明るく暖かくてそのうち少しずつ暑くなってくるのでしょうウィルスも少しずつ勢いを無くしていくのでしょうか 世界は回り一秒刻一秒と皆変わっていきます季節が、社会が、細胞が…

#30 平成生まれです

# 「ただいま」今日も一つ、積み重なるそれが嬉しい日もうっとおしい日もあるけどこれがいつかのなにかを形作るのかな 自分一人だと なんとなくでうまくいくことが多かったから何かがなされるのは魔法のように事が運ぶことだと漠然と思ってた けどそうでもな…

#29 朝の月

AM5:00 起きなきゃと思う心と寝てたい体が綱引き圧倒的に優勢な体 AM5:20薄弱なわたしの理性ちゃん重い体を布団から引きずりだし眠る家々を抜けて真っ暗な朝を歩き出す 朝の月に照らされてネオンブルーな自販機のボタンたちが踊る踊る 完璧なラインダンス 朝…

#28 何もかもが憂鬱な夜は

「何もかもが憂鬱な夜は」 何気ない小さな事さえうまくいかないそんな憂鬱な夜は無理に元気になろうとせずに落ち込んだっていいね 憂鬱だってわたしの一部だし落ち込むことも必要かもしれないでしょ知らんけどさ どうせ落ち込んだらそれに飽きるときも来るか…

#27 ドライなフラワー

時が止まって 色を増すドライなフラワーいっそあの日の気持ちも一緒に閉じ込めてしまえればいいのに ブルーム の時間はとうに過ぎ去ってしまったのになぜそんなに美しいのその姿は 時に生きているときよりも鮮やかで 時が止まって 香を増すドライなフラワー…

#26 コンビニ

散歩7日目。早朝の散歩がてら、コンビニにはいる遊びが始まった。 気付いたことがある。真っ暗な中にコンビニを見つけるとどことなくほっとするのだ。 これまでコンビニというものにあまり興味を持ったことはなかった。使うとしたら、どうしても時間がないと…

#25 カラス

遠くから見ると飛んでいるカラスはきれいだと思う 近くから見たらちょっとこわいけど 大きく広げた羽と真っ青な黒が特に好き 声はちょっと滑稽だけどそれもいい 飛んでいる、というよりは大きな羽を広げて風に乗っている 気持ちよさそうだな、と思ったけど思…