#14 私のコーヒー全史

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「私のコーヒー全史①」
(※記憶捏造・改ざんの恐れ有)

 

私とコーヒーの歴史はまだ浅く、10年前後になるが、その歴史の中でも大きく分けて①「スウェーデン紀(コーヒー黎明期)」②「大学院紀(引きこもり時代)」③「近代(ビアレッティ発見期)」の3つに大別できる。

 

まず、コーヒーとの交流の黎明期でもある「スウェーデン紀」である。この1年間私はスウェーデンに留学していた。それまでもコーヒーというものの存在は知っていたもののそこまでそれ自身との交流があるわけではなかった。強いて言えばスタバで友人と語り合ったり試験勉強をしながら飲むもの、という感じで自分の家で飲むことはなかった。

 

しかし、当時の私はまだ知らなかった...スウェーデンに行くことでコーヒーとの関係性が激変することになることを。

 

スウェーデンには、「フィーカ」という文化がある。沖縄にも10時茶と3時茶という文化があるが、それが過激になったような感じだ。理由は試験が終わったから、とか、寒いから、など何でもいい。何かにつけてお茶をするという素敵な文化だ(これは本当にいい)。そのためか、スウェーデンにはスタバが隠れてしまうほど素敵なカフェがたくさんある。そして、紅茶はもちろんのこと、コーヒーも気軽に飲むことができる。沖縄にいる時よりも、お茶をすることと、コーヒーそのものに触れる機会が圧倒的に多かった。

 

そんななか、コーヒー初心者の私に1つの大事件(エスプレッソの悲劇)が起きた。

 

スウェーデン着いて数日後あるカフェでお茶をしようとしたとき、どのコーヒーを選べばいいかわからなかったので1番安くておしゃれそうな「Espresso」を選んだ。(ブラックコーヒーを飲むのがかっこいいというちょっとした見栄もあったと思う。)

 

そこで届いたコップはなんだか小さくて、「まあ、安かったしこんなもんか...」と自分に言い聞かせながら口をつけた時、「?!?!?!?!?!」と子どもの私に理解不能な苦さと戸惑いが私の中を駆け巡った。自分が猫だったら全身毛が逆立っていたと思う。

 

当時はエスプレッソというものを知らなかったから、これはコーヒーなのか...?何かの間違いじゃないのか?と思ったけど、友人の前でよく分からない何かも手伝って、平静を装って、あたかも「こんなものですよね...知ってます。」という顔で飲んだと思う。それから大学院で眠気覚ましにカフェインを欲するようになるまでエスプレッソを飲むことはなかった。

 

また、スウェーデンには多くの「セカンドハンドストア」が存在する。いわゆるリサイクルショップなのだが、沖縄とはその質も量もかなり違う。おしゃれなセカンドハンドストアも、ビル一棟が全部セカンドハンドストアというのもある。朧げな記憶だが、聞いたところによるとスウェーデンでは1つのものを長く使うことが良いとされている...んだったような気がする(誰か間違っていたら教えてください)

 

週末になるとセカンドハンドストアに日用品を買い物に行っていたのだが、そこでつい、安く売っていたカップ付きのコーヒーメーカーを買ってしまったのだ。日本でよく見るポット付きのコーヒーメーカーとは違って、手のひらくらいの大きさのカップ2つをセットすると2杯分のコーヒーが出てくるなんとも可愛いコーヒーメーカーだった。多分1000円もしなかったと思う。


そうなると、コーヒーの粉を買って家で淹れるしかない状況になってしまった。

さらに、スウェーデンで出会った友人は私よりもコーヒーに精通していた。私の家によく来てお茶をする友達は、お父さんがコーヒーを淹れるのが好きで、コーヒーをハンドドリップ(!)で淹れることができた。その子がコーヒーの粉をセットした後、「コピルアック」と言いながら指で粉の真ん中に穴を開ける、美味しくなるおまじないしたとき、私自身がおまじないにかけられてしまった気がした。ちなみに今もコーヒーを淹れる時はこのおまじないをする。だって、素敵やん...

 

(※実際コピルアックというのはジャコウネコの糞から取り出したコーヒー豆で作る希少なコーヒーのことらしいから、なぜそれがおまじないになったのかは気になる)

 

ここまで来てコーヒーを飲まない訳があるだろうか。否。私にはこの状況で飲まない理由と意思はありませんでした。

 

ということで、スウェーデンでの生活はコーヒーと私の距離を圧倒的も近づけたのだった。

 

(続く)

#コーヒー #エスプレッソ #歴史