#10 物語の効用
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私のラッキーナンバーは85だ。
昔マヤ暦占いをしてもらったときに、私の運命数が85だったから。それだけ。
そのときに85を見つけたらいい知らせだよと言われてから、車のナンバーなどで85を見つけると「今日はいい日だな」と勝手に楽しくなる。
今日も仕事が終わって駐車場を歩いていると2台の車のナンバーに85が入っていたので、ほくほくとした気持ちで車を発進させてふと思った。
私、10台ぐらいの車のナンバーを見たはずだけど、2つの85以外の数字は全く何も覚えてないぞ。
わたしにとって「いいこと」を意味する85の数字以外は全く記憶に残らず素通りしていき、この数分間の間私の世界に存在したと記憶されるのは2つの85だけなのだ。
この意味がお分かりだろうか。
拡大解釈になるかもしれないが、私にとっての85=何かしらの意味や物語という名のとっかかりがない限り、世界は横滑りして無かったことになってしまうのだ。例え映像記憶が脳の隅っこに残ったとしてもそれを引き出すトリガーがない。
逆にいうと、その物語が多ければ多いほどあなたにとっての世界は膨らみを持った豊かなものになるかもしれない。そしてネガティブな物語を多く持つ人にはネガティブな世界が、ポジティブな物語を持つ人にはポジティブな世界があらわれるかもしれない。
そうすると、あなたがあなたの好きな物語を持てば持つほど、世界はもっと素敵になるかもしれない。
あなたの世界を決めるのはあなたの心だ。多分きっと。
ということで、求む85。