昔、この恋が終わることを知らない自分ーが確かにいた。瞬間瞬間期待をし、落胆して、舞い上がって、緊張して、絶望して、そうしているうちに気づいたら終わりが来た。瞬間瞬間、全力で燃えていた。
いつからか、それがいつか終わりうるものであること、必ずしも成就しうるものではないことを予め知るようになった。けれど、それでもいいのだ、という思いも芽生えた。泥臭さも覚えた。どちらがいいのかはよく分からない。ただ、もうあの頃の自分に戻り得ないことだけはよく分かる。
戻らない過去は戻らない故に美しく輝く。
#はつ恋 #ツルゲーネフ