オブラートのロマン

 

小さい頃オブラートという存在に無性に憧れていた。

 


おばあちゃん子で、よくおやつに昆布飴かボンタンアメを買ってもらっていたんだけど、昆布飴にもボンタンアメにもオブラートが巻かれていた。

 


お菓子に巻かれている白い薄い紙が食べられるということ、それで薬が飲めるということは、小さい頃の私にとって特別なことだった。

 


買ってもらったお菓子からは少しずつ剥がしてオブラートを食べた。むしろオブラートを楽しみにしていたといっても過言ではない。味はないけど、舌の上で溶けるオブラートは特別な味がした。