手間をかけることについて(王子様とキツネ)

高校時代に星の王子様を読んで、大好きになった。

日本語版だけじゃなくて英語版を読んだり、ミュージカル映画版をみたり、グッズを買ったり、好きすぎてフランス文学を専攻しようとしたりして(結局英米文学にしたけど)、とにかく好きだった時期があった。

 

だけど、王子様に対してキツネの言う「Tame me(僕を慣れさせて)」は、なんとなく分からないまま、そういうことなのか…と読んでいた。

 

私は人や物に興味を持ったら、それをその時にできるだけ知ろうとしたりやろうとしてしまう。どちらかというと「熱しやすく冷めやすい」タイプだと思う。思い切りやりすぎて疲れてしまったりすることもある。だから、私がキツネだったら、自分から王子様に話しかけてしまうと思う。

 

最近、少しずつ手間(労力と時間)を掛けることを覚えた。

意図して、というよりは仕事をしているから、自分が自由にまとめて使える時間が余り多くないことにある。

 

今ある人へプレゼントを作っている。

普段はそういうものを用意するときは、1日か2日でぎゅっと時間を縮めて集中してやってしまう。

 

でも今回は、その用意を半年前の日常から少しずつ仕込んでいって、

誕生日が近くなってからは、仕事後に少しずつ仕上げをしていっている。

一度に一気に仕上げようとせず、出来る範囲で

今日はここまで、今日はここまでという風に。

 

そうすると、次やるときに前回のものをより良くする方法を見つけたり

別のことをしているときにいいアイディアが浮かんで来たりする。

結果、やっつけでやるよりも、大分いいものができていると思う。

 

自己満だけど、早くあげたいなあ、あげたときの顔が見たいなあと

その人の誕生日がより待ち遠しくなり、

そのものに対する愛着、相手に対する愛着も増す。

それがいいことか悪いことかは分からないけど、そういう現象が起こっている。

手間をかける、ということは相手のためのようでいて、

自分のためになっているのかもしれないなあと思った。

 

文脈はずれているかもしれないけど、

少しキツネの章が分かるようになったんじゃないかな、と思った。

 

そのうち星の王子様を読んでみたいと思う。

 

…だけど、こういうことはめったにできないので、やっぱり普段はやっつけるんだろうな(笑)