#60 家

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(ペンギンの話「#56 夜」の続き)

 

夢を見た。

 

どこかの家にいる夢。
初めて足を踏み入れたはずなのにすごく居心地がいい。

 

とても古いけれど、所々に入る罅、床の染み、錆びた手摺、壁の裂け目から見える綿、一つ一つの時間を経て形成されていった皺のようなものたちに、ひどく親密な気持ちを覚えた。

 

家は年をとっていたけれど、静かに生きていた。たくさんの想いを吸い込んで。

 

そして、家が私を呼んでいるのか、私が家を求めているのか分からないけれど、とにかく家に会わなければならない。そんな気がした。

 

#60
#毎日何かを書いてみる
#家 #夢

(写真:若松薬品)

 

 

#58 夜

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「#58 夜」

 

その夜は雨が降った。
空はそんな様子一つも見せずに、バケツに少しずつ溜まっていた水を急にひっくり返したみたいに雨を降らせた。

 

電気を消して布団の中で聴く雨の音は心地よかったけれど、ペンギンのことが気にかかった。

 

あのペンギンは無事北海道の動物園まで、子どもたちの元へ帰れるだろうか。雨で体が冷えたり泳ぎにくかったりしていないだろうか。風はないから波は多分大丈夫だろう。

 

ペンギンの泳ぐ夜の海のことを考えた。陸地の見えない真っ暗な海。それは海以外ない、ただただ、海。泳ぐのをやめたら沈んでしまう。寄る辺なく黒しか見えない海を泳ぎ続けるのはきっとすごく大変なことだ。


#58
#毎日何かを書いてみる

 

#57 調子の悪い時にもブログを書き続ける意味

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1つ思いついたので書いておく。

それは、頭が書く(書かなければならない)脳になっていることだ。

 


お腹が痛くても頭が痛くても「痛いな。どうしようまだ眠れない。何を書いて寝よう...」となる。

 


そう考えているときは一刻も早く休みたいから非常に不快なのだけど(笑)でも、どんな状態でも何かを書かなければという思考(強迫観念ともいう)が癖になっている...ような気がする。

 


いいことと呼べるかは分からないけど(笑)

 


#57

#毎日何かを書いてみる

#56 お腹が痛い時にブログを書くことに意味はあるのか

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これを書いている今、私はお腹が痛くて布団にいる。そして、昨日ブログで言った冊子の締め切りが明後日なので明日早く起きて仕事をしなければならない。

 


お腹が痛くて仕事も溜まっていて早く寝ないといけない時にまでブログを書く意味は何か。正直よく分からない。

 


ただ、「毎日書いてみる」と決めたことに縛られている。

 


他の連絡は仕事の詰まり具合や余裕のなさにかまけて返せてないのに(返せてない人ごめんなさい)ブログは毎日書かないといけないので、お返事できてない人ごめんと思いながらもブログをアップしている。

 


ここまでしてこれを続ける意味が見出せた時、是非書いてみたいと思う。

 


#56

#毎日何かを書いてみる

#55 色

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今締め切りにギリギリで追われながら冊子を作っているんだけど、今日は色にかなーり悩まされた。

 


その結果、colarateというサイトにたどり着いた。colarateはパソコンで色を組み合わせて使いながら何かを作る作業をする人におすすめな気がする。

 


自分の使いたい色を指定すると、その色をメインカラーにして、いくつかのパターンの色の組み合わせを作ってくれて、そのカラーコードを出してくれるので、自分が作業をしているアプリで色が出せる。

 


指定した色の彩度や明度などのパターンも出してくれるので、もう少し暗くしたいなーとか、明るくしたいなーっていうときにも使える。その色で組み合わせも作ってくれるし。

 


でも、同じトーンでいくつかの色(例えば同じトーンの赤、黄色、青、緑)のカラーコードを出してくれるものがあるともっといいなーと思った。

 


色は本当に難しい。

 


#55

#毎日何かを書いてみる

 

#54 トマトソースパスタ

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ペンギンはトマトソースパスタを美味しそうに食べた。

よっぽどお腹がすいていたのだろう。 お皿のパスタはあっという間になくなった。


「もしよければまだ残っているけど、お代わりしますか?」


「え!そんな、いいんですか?いや...そんな急に押しかけて、 こんなにしてもらって申し訳ない...」


そう言いながらも、ペンギンの目は宙を泳いでいた。


「もしよければ食べてくれませんか?私ももうお腹いっぱいだし。 ご迷惑でなければ、ですが」


「本当ですか?!では是非、有難く頂戴いたします」


「 自分が作ったものを誰かにそんなにおいしそうに食べてもらえるな んてそうそうないから、嬉しいです」


「こんな絶品のトマトソースパスタ、食べたことがありません。 オレガノがよく効いている」


「ありがとうございます。ペンギンさんはグルメなんですね」


「北海道は美味しいものが多いですから。 たまに動物園を抜け出して食べに行くんです。海鮮丼とか」


「なるほど」


突然の来訪者は、二杯目のパスタも美味しそうに食べ始めた。


「それで、ご用はなんでしょう?」


「そうそう、パスタがあまりにもおいしいので、 大事な用を忘れるところでした。実は、 私はメッセンジャーなんです」


メッセンジャー


「はい、メッセンジャー。メッセージを受け取り、 メッセージを伝える。動物園のアイドル以外の私の仕事です」


「なるほど」


「私はあなたにある重要なメッセージを預かって来たんです。 風がそのメッセージを運んできました。 あなたは物語を探さなければなりません。」


「物語」


「そうです。物語です。 その物語は我々の存在にとってとても重要なものです。しかし、 その物語が何者かに狙われているのです。今のところ、 物語はまだ奪われてはいません。 奪われれば私たちは分かるはずですから。しかし、 奪われる前にあなたが見つけなければならない」


「そもそも物語は奪われるものなのでしょうか。 形ないものをどうやって奪うことができるんですか?それに、 どうやって見つけることができるんでしょうか」


「それは私にはわかりません。 私はただのメッセンジャーですから。伝えることが仕事です... はっ。いまは何時でしょうか?」


「夜の9時過ぎです」


「なんと!早く帰らなければ。 私には動物園のアイドルという重要なお仕事があるのです。 子どもたちが私を待っているのです」


信じられない程のスピードでパスタを平らげ、 ペンギンはもう一度言った。


「いいですか、物語です。あなたは物語を探すのです。 美味しいパスタをありがとうございました。 このご恩は忘れません。 よいペンギンは美味しいごはんの恩は忘れませんから。 それでは失礼します」


そういってペンギンはぴょこぴょことしかし足早に去って行ってし まった。


一体あれは何だったのだろうか。私は夢を見ているのだろうか。


部屋に戻ると、テーブルの上に空のお皿が2つぽかんと乗っていた。

 


#54

#毎日何かを書いてみる

#ペンギン

#トマトソースパスタ